「プロフェショナル」
僕は仕事である「蘭」について、プロフェショナルでありたいと思う。
プロフェショナルとは何なのか?
大好きなテレビ番組、NHKの「プロフェショナル」。
そこには色々な世界のプロフェショナルが登場する。
哲学や考え方、世界を動かすトップランナー達の思いは様々だ。
そんな中で、この人の生き方 カッコいいなー、って僕が思う人の考え方には共通点がある。
1、自分の努力や才能、研究してきた事を誰かのために使う。
2、失敗や一時的な結果にとらわれず、進化し続ける
3、あきらめない
当たり前だけど、とっても難しい。
でもやっぱり、そんな生き方はカッコいいと思う。
明日から東京ドームまで始まる、世界らん展2015。
今回で25回目なんだって。
9日の間に毎年何十万人、蘭の花を見に日本中から人か東京に集まる。
花の仕事をしているけれども、これってとっても凄い事だと思う。
だって僕の運命が違って、蘭農家の息子じゃなかったら、きっと2200円も払って東京ドームまで花を見には行かないかもしれないから。
僕の事を知っている方は、よくご存知だと思うけど、あちこちで日本大賞 (世界らん展のグランプリ) を獲る!と常々言っている。
皆、僕の言う事は、ドンキホーテと同じだと思っていたと思う。
将来はプロ野球選手になるんだ!と言う野球少年を見るのと、同じ目をしていたから。
(熊本の宮川先輩と、日比谷の難波さんは、本気に思ってくれてました。)
一緒に夢見ていた人達も、いつしか
「アマチュアのには勝てない」
「蘭展と蘭生産は違う」
何かしらの理由で、自分が咲かした蘭の花で、数十万人達を心を動かす事の出来るチャンスを諦めていくのが、よくわかった。
確かに、日本のアマチュアの蘭栽培レベルは世界一
農家が弱音を吐くほどの高い栽培レベル。
マーケットも多くの生産者が生きるか潰れるかの、非常に厳しい向かい風。
蘭展どころではないのは、当たり前の事だと思う。
ウチも4年前、雷が温室に落ちて燃えちゃって、大変で、今なお大変で。
父が病気になり、祖母が倒れ、誰も助けてくれるわけもなく、本当に大変で。
そんな中でも、僕は諦められなかった。
自分の咲かした蘭が、数十万人の人達に見てもらって、蘭って綺麗だな〜とか思ってもらえる。その中心に自分の蘭がいる事を。
僕が東京農大の合格発表の日に、初めて行った世界らん展から17年。
あきらめなければ、夢は叶うものなんだとよく言うけれど、本当でした。
今日僕は、ほんの一歩、プロフェショナルに近づけたと思います。
かとう はるゆき